人気ブログランキング | 話題のタグを見る

八重山マンゴー研究会

yaemango.exblog.jp
ブログトップ

8月定例会

8月30日、定例会を開催しました。

1.現地検討会(AM)

1)伊土名の圃場:県マンゴーコンテストで八重山初入賞を果たした、今期初出荷農家(3年目)。

間引き剪定の程度や施肥の量について気になっており、会員間でアドバイスを行いました。

剪定
立ち枝を切りすぎたかもしれない。幼木なので、老木と異なり立ち枝を水平より下に倒して利用することを確認。花軸のみとる剪定としたが、八重山では一律にこのやり方では枝が伸びすぎる可能性が指摘されました。

施肥
果実のなかった樹にはやらなかったのは正解というコメントありました(施肥すると液肥でも樹が繁茂してしまう)。PHが3.5と低いため、カルシウム剤(サンドカル)の投入を予定で、樹周りに穴ほり済み。1ハウスは局所施用、別ハウスは全面散布で観察とのこと。カルシウムが少ないと、果皮が弱くなりスレやヤニ果が増える可能性が農研センター研究員からコメントされました。

その他
①頭上の誘引用のロープはまぐろ漁用のサンサンワイヤーを使用とのことで、ベテラン農家もおすすめだった。
②樹ごとの収穫数を頭上の鉄骨に色違いの布テープを貼りそこに記入しているのでは、施肥のときや来年、再来年と経過したときにすぐにわかるのでよいアイデア。
アザミウマの発生は見られた。
8月定例会_c0234339_09175930.jpg
8月定例会_c0234339_09243205.jpg


2)名蔵の圃場:6月の定例会でも訪れ、アザミウマ被害の多さと樹の繁茂を確認している。その後の検討を行いました。

 アザミウマの防除、土作り、枝の作り方が気になること。アザミウマについては、琉球産経から収穫後はスプラサイドの様な残効の長いものがおすすめとのこと。近頃普及課から本農家専用の防除スケジュールを組んで提案したところであり、8月下旬もディアナWDGやキラップなどおおよそスケジュール散布されていたことから発生は減っていたように見えました。

 枝のつくりかたについては、6月から数回にわけて間引き剪定を実施してきたところであるが(樹の2~3割を剪定)、8月下旬には多くの新葉が発生しており繁茂していた。重なる枝や立ち枝、地面につきそうな枝は、まだまだ抜けるとのことで、芽かきと合わせ実施予定。枝の管理について、ベテラン農家からアドバイスありました。
8月定例会_c0234339_09171423.jpg


2.勉強会(PM)

1)果実品評会(7月21日実施)の結果報告
 今期1位を獲得した西表の農家さんに工夫したことを聞いたところ、袋かけ後の早めの屋根ビニル巻き上げ(通常西表の鉄骨ハウスでは収穫中はビニル張られてる)や毎日の少量かん水が挙げられた。袋掛け自体も平年より早めで、紫になる前にかけた。遮光ネットも外した。それでも日焼果の発生は少なかった。色のりも悪くなかった。とのこと。

2)情報提供をおこないました。
①他地域と市場の情報
②チャノキイロアザミウマの主要雑草
③ハダニ類の防除薬剤
④すす点病の紹介
⑤宮古で多発したまだら果の紹介
⑥全県の天敵の取り組み状況
⑦マンゴーの防除暦(案)の配布
 なかでも、まだら果について興味が高かったので引き続き宮古と情報交換を行っていきます。
8月定例会_c0234339_09170524.jpg

3)グループ討議で今期の栽培状況を振り返りました。
①収量:全体にとてもよく1t~2t/10a
②収穫時期:7月中旬~8月上旬で、ピークは7月下旬。
③玉太り:例年より大玉。箱詰め苦労。着果負担の樹は小玉見られた。
④病害虫:園による差が大きい。アザミウマ、ハダニ、キドクガ。炭そが多かった圃場では花の時期の防除が少なかった。
⑤障害果:日焼は平年なみだが、後半にブク(果肉崩壊)が多かった。果肉崩壊の理由は、Ca欠乏やかん水不足があげられるため、収穫期に入りかん水の少ない圃場が多かった可能性あり。まだら果が多い圃場があり、ビニル巻き上げがいつもより遅く7月になってからだったため通気が悪くなかった可能性が考えられました。

4)9月8日の石垣市マンゴー産地協議会の意見交換会の案内を行いました。

次は10月6日(金曜日)の予定です。

by yaeyamamango | 2017-09-06 09:25 | 定例会